ヴィデオセッション;内視鏡的胸部交感神経節焼灼術

内視鏡的胸部交感神経焼灼術は胸の壁に約1cmの穴を開けそこに内視鏡を入れ交感神経を見ながらそれを焼く方法である. 神経ブロックはレントゲン透視下に針を交感神経に刺しそこにアルコールを入れ神経を破壊するか, 高周波で熱凝固法する. それに対し本法は交感神経を直接に見て行うためにより簡単に施行できる. 奇静脈が近くにありそれを傷つけると出血の可能性がある. しかし現在まで, まだ重傷の合併症の報告はない. 内視鏡的胸部交感神経節焼灼術にはいくつかの手技がある. 古典的なKuxの方法, 腹腔鏡を使用し複数の穴を開け, 内視鏡的肺切除術と同様に行う方法, クラシス等のTUR用のレゼクトミーを使用し単一...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 2; no. 2; p. 149
Main Author 塩谷正弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1995
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Summary:内視鏡的胸部交感神経焼灼術は胸の壁に約1cmの穴を開けそこに内視鏡を入れ交感神経を見ながらそれを焼く方法である. 神経ブロックはレントゲン透視下に針を交感神経に刺しそこにアルコールを入れ神経を破壊するか, 高周波で熱凝固法する. それに対し本法は交感神経を直接に見て行うためにより簡単に施行できる. 奇静脈が近くにありそれを傷つけると出血の可能性がある. しかし現在まで, まだ重傷の合併症の報告はない. 内視鏡的胸部交感神経節焼灼術にはいくつかの手技がある. 古典的なKuxの方法, 腹腔鏡を使用し複数の穴を開け, 内視鏡的肺切除術と同様に行う方法, クラシス等のTUR用のレゼクトミーを使用し単一の穴から行う方法などがある. Kuxの方法はテレビカメラを使わない直達鏡により施行されていたが, 7年前にスエーデンのクラシス教授がわれわれの行っているレゼクトミーを使用する方法を開発した. クラシス教授は現在600例以上の手術を施行し90%以上の成功率を達成し重篤な合併症を生じていない. 今回のヴィデオセッションでは昭和大学医学部麻酔科助教授, 増田 豊先生, 佐賀医大麻酔科助教授原野 清先生, 関東逓信病院ペインクリニック科大瀬戸清茂, 金沢大学医学部外科手取屋岳夫先生の各演者の施設で行われている手技につきその特徴につき解説をお願いした.
ISSN:1340-4903