R4-2 当院における抗凝固予防注射剤使用状況

「はじめに」新型コロナウイルス感染症患者における高い静脈血栓塞栓症 (venous thromboembolism ; VTE) リスクが報告され, 本邦でも多くの患者で抗凝固予防が行われた. 従来本邦で周術期以外の患者に使用可能な抗凝固予防薬は未分画ヘパリン (unfructionated heparin ; UFH) のみである. しかし新型コロナウイルス感染症の流行のなか, UFH皮下注製剤の出荷調整が生じた. またその影響もあり, 周術期に使用可能な低分子ヘパリン (low molecular weight heparin ; LMWH) 皮下注製剤の出荷調整も続発的に生じ, 当院でも...

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Published in心臓 Vol. 56; no. 7; pp. 742 - 745
Main Authors 山本尚人, 嘉山貴文, 海野直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.07.2024
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Summary:「はじめに」新型コロナウイルス感染症患者における高い静脈血栓塞栓症 (venous thromboembolism ; VTE) リスクが報告され, 本邦でも多くの患者で抗凝固予防が行われた. 従来本邦で周術期以外の患者に使用可能な抗凝固予防薬は未分画ヘパリン (unfructionated heparin ; UFH) のみである. しかし新型コロナウイルス感染症の流行のなか, UFH皮下注製剤の出荷調整が生じた. またその影響もあり, 周術期に使用可能な低分子ヘパリン (low molecular weight heparin ; LMWH) 皮下注製剤の出荷調整も続発的に生じ, 当院でも多くの新型コロナウイルス感染患者にLMWHを使用した. これまで本邦において, 内科系入院患者に対して, 抗凝固予防や理学的予防といったVTE予防はそれほど行われていなかったが, この "コロナ禍" で内科系入院患者に対して, どのような抗凝固予防が行われていたかを調べたので報告する.
ISSN:0586-4488