O2-2 右房内に脱落した下大静脈フィルターの回収に難渋した1例

• Published in: 心臓 Vol. 56; no. 7; pp. 729 - 733
• Main Authors: 伊藤伸悟, 御手洗敬信, 田邉康宏, 明石嘉浩
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本心臓財団・日本循環器学会 15.07.2024
• ISSN: 0586-4488

「はじめに」下肢深部静脈血栓 (deep vein thrombosis ; DVT) を伴う急性肺動脈血栓塞栓症 (pulmonary embolism ; PE) は突然死をきたしうる重篤な疾患であり, 静脈血栓塞栓症 (venous thromboembolism ; VTE) の治療において, 下大静脈フィルター (inferior vena cava filter ; IVC-F) は重要な位置を占めているが, 留置による合併症も報告されている. 今回我々は, 右房内に脱落したIVC-Fの回収に難渋した1例を経験したので報告する. 「症例」患者 : 67歳, 男性. 主訴 : 右下腿腫脹および疼痛. 既往歴 : 高血圧症, 高尿酸血症. 内服歴 : アピキサバン10mg/日, オルメサルタン10mg日, クロナゼパム0.5mg/日. 現病歴 : 脳梗塞, 脳静脈洞血栓症に対し他院でヘパリンによる治療を開始された.