2 フォトンカウンティングCTを用いた冠動脈評価

「はじめに」今日, 冠動脈CTは慢性冠動脈疾患の診療において不可欠な検査となっている. フォトンカウンティングCTは従来型CTとは異なる画期的な構造の検出器を有し, CT画像の高解像度化と常時X線スペクトル取得を可能にする. フォトンカウンティングCTによって冠動脈CTは画質向上とスペクトル解析の恩恵を受け, 新たな次元の冠動脈形態評価を提供できる可能性がある. 本稿ではSiemens Healthineers社製のNAEOTOM Alphaを中心に, フォトンカウンティングCTを用いた冠動脈評価について概説する. 「フォトンカウンティングCTの特長」フォトンカウンティングCTに関して複数の企...

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Published in心臓 Vol. 56; no. 4; pp. 330 - 336
Main Authors 中村哲士, 荒木俊, 北川覚也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.04.2024
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Summary:「はじめに」今日, 冠動脈CTは慢性冠動脈疾患の診療において不可欠な検査となっている. フォトンカウンティングCTは従来型CTとは異なる画期的な構造の検出器を有し, CT画像の高解像度化と常時X線スペクトル取得を可能にする. フォトンカウンティングCTによって冠動脈CTは画質向上とスペクトル解析の恩恵を受け, 新たな次元の冠動脈形態評価を提供できる可能性がある. 本稿ではSiemens Healthineers社製のNAEOTOM Alphaを中心に, フォトンカウンティングCTを用いた冠動脈評価について概説する. 「フォトンカウンティングCTの特長」フォトンカウンティングCTに関して複数の企業がそのプロトタイプを作成しているが, 現在Siemens Healthineers社製のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」のみが製品化され, 日本では2022年1月製造販売認証を取得している. NAEOTOM Alphaのフォトンカウンティング検出器(PCD)は従来型のエネルギー積分型検出器(EID)とは大きく異なる構造を有している.
ISSN:0586-4488