2 急性腹症を疑った川崎病の1例

「はじめに」川崎病患者のうち, 3~5%は発症時に腹部症状を呈する. 腹痛・腹部膨満・嘔吐・肝腫大・黄疸・下痢など症状は多岐にわたっており, 外科的治療を有したという報告も散見される. 右下腹部の激烈な痛みで発症した川崎病の1例を経験したので報告する. 「症例」生来健康な3歳10か月男児. 入院前日夕方から発熱および心窩部痛が出現, 入院当日に発熱および右下腹部痛のため近医を受診した. 虫垂炎の疑いで同日当院を紹介受診し精査加療目的に当科へ入院した. 「現症」: 体温40.2℃, 腹部は平坦軟で腸蠕動音軽度減弱, 右下腹部に限局する圧痛あり, 反跳痛・筋性防御なし. 咽頭発赤を認める以外は特記...

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Published in心臓 Vol. 49; no. 12; pp. 1281 - 1283
Main Authors 真弓怜奈, 鳥羽山寿子, 牛牧史子, 笠井悠里葉, 吉田登, 竹内祥子, 辻脇篤志, 北村祐梨, 海野大輔, 大友義之, 新島新一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.12.2017
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Summary:「はじめに」川崎病患者のうち, 3~5%は発症時に腹部症状を呈する. 腹痛・腹部膨満・嘔吐・肝腫大・黄疸・下痢など症状は多岐にわたっており, 外科的治療を有したという報告も散見される. 右下腹部の激烈な痛みで発症した川崎病の1例を経験したので報告する. 「症例」生来健康な3歳10か月男児. 入院前日夕方から発熱および心窩部痛が出現, 入院当日に発熱および右下腹部痛のため近医を受診した. 虫垂炎の疑いで同日当院を紹介受診し精査加療目的に当科へ入院した. 「現症」: 体温40.2℃, 腹部は平坦軟で腸蠕動音軽度減弱, 右下腹部に限局する圧痛あり, 反跳痛・筋性防御なし. 咽頭発赤を認める以外は特記すべき所見なし.
ISSN:0586-4488