血栓溶解療法

今日の話は「急性心筋梗塞に対するインターベンション」, として「血栓溶解療法」について, であります. まず, 急性心筋梗塞の起こり方を勉強してみましょう. 冠動脈に動脈硬化巣「これはatheromatous plaque」と呼びますが, このatheromatous plaqueが存在しますと, これを覆う内膜が何かの原因で破れ, atheromaの内容物が血管内腔に露出すると, そこに血栓が生じ, この血栓がみるみるうちに成長して血管の内腔を閉塞し, 冠血流coronary flowが途絶し, 心筋梗塞になると考えられています. 閉塞が短かければ心筋壊死necrosisは血流が途絶した中心...

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Published in心臓 Vol. 31; no. 5; pp. 397 - 398
Main Author 石川欽司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 丸善 1999
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Summary:今日の話は「急性心筋梗塞に対するインターベンション」, として「血栓溶解療法」について, であります. まず, 急性心筋梗塞の起こり方を勉強してみましょう. 冠動脈に動脈硬化巣「これはatheromatous plaque」と呼びますが, このatheromatous plaqueが存在しますと, これを覆う内膜が何かの原因で破れ, atheromaの内容物が血管内腔に露出すると, そこに血栓が生じ, この血栓がみるみるうちに成長して血管の内腔を閉塞し, 冠血流coronary flowが途絶し, 心筋梗塞になると考えられています. 閉塞が短かければ心筋壊死necrosisは血流が途絶した中心部分の心内膜側に限局されますが, 長く血流途絶が続けば中心部分から周辺へ, そして心内膜側から心外膜側へ拡がり, 血流が途絶してから大体6ないし12時間で拡がる所まで拡がってしまうと考えられています. ですから, 血流が途絶してからなるべく早く, 血栓を取り除いてやり, 冠血流を再開通させてやれば, 心筋壊死が少なくてすむということになります.
ISSN:0586-4488