2.小児呼吸理学療法の考え方と実践

小児の呼吸理学療法(RPT)の目標は,呼吸障害のために生じた日常生活制限を改善し,成長・発達を進めていくことである.肺・胸郭のコンプライアンスが高い小児はRPTの効果が期待できる反面,RPTにより呼吸状態を悪化させる危険もあり,換気力学的観点から小児の特徴を熟知しておく必要がある.RPTの効果を高めるには体位管理と気道クリアランスの機序を知ることが大事である.RPTの実践では,「① 十分に吸えるか,② 吐けるか,③ 有効な咳になるか」を念頭に呼吸のアセスメントを行う.そして呼吸障害を規定する3病態(5因子)を鑑別し,病期と病変部位を評価して有効なRPTを実施する.エビデンスの少ない分野であるが...

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Published in小児科 Vol. 61; no. 12; pp. 1591 - 1599
Main Author 港 敏則
Format Journal Article
Published 金原出版 01.11.2020
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Summary:小児の呼吸理学療法(RPT)の目標は,呼吸障害のために生じた日常生活制限を改善し,成長・発達を進めていくことである.肺・胸郭のコンプライアンスが高い小児はRPTの効果が期待できる反面,RPTにより呼吸状態を悪化させる危険もあり,換気力学的観点から小児の特徴を熟知しておく必要がある.RPTの効果を高めるには体位管理と気道クリアランスの機序を知ることが大事である.RPTの実践では,「① 十分に吸えるか,② 吐けるか,③ 有効な咳になるか」を念頭に呼吸のアセスメントを行う.そして呼吸障害を規定する3病態(5因子)を鑑別し,病期と病変部位を評価して有効なRPTを実施する.エビデンスの少ない分野であるが,有効例を整理していくことが重要である.
Bibliography:特集 小児科医のための 呼吸器診療のポイント
ISSN:0037-4121
DOI:10.18888/sh.0000001534