更年期医療におけるflexibility(柔軟性)の概念分析

要旨 目的:更年期のような人生の過渡期では,自分に降りかかるさまざまな変化に柔軟に対応することが重要と考える.本研究では,flexibility(柔軟性)の概念分析を行い,更年期医療における概念の有効性の検討を目的とした. 方法:2000~2005年の看護学,心理学,社会学,フェミニズムの領域から30文献を便宜的に抽出し,Rodgersのアプローチを参考に概念分析した. 結果:flexibilityの属性は【滑らかで連動した動き】【多様な見解と統合的思考】【状況に応じた敏感な変動】【調整可能】【効率的】が抽出された.先行要因は〔常に変化する環境〕〔両立しがたい2つ以上の要求〕〔不確かさ〕〔変化...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 43 - 51
Main Author 飯岡 由紀子
Format Journal Article
Published 日本看護科学学会 25.09.2008
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ISSN0287-5330
2185-8888

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Summary:要旨 目的:更年期のような人生の過渡期では,自分に降りかかるさまざまな変化に柔軟に対応することが重要と考える.本研究では,flexibility(柔軟性)の概念分析を行い,更年期医療における概念の有効性の検討を目的とした. 方法:2000~2005年の看護学,心理学,社会学,フェミニズムの領域から30文献を便宜的に抽出し,Rodgersのアプローチを参考に概念分析した. 結果:flexibilityの属性は【滑らかで連動した動き】【多様な見解と統合的思考】【状況に応じた敏感な変動】【調整可能】【効率的】が抽出された.先行要因は〔常に変化する環境〕〔両立しがたい2つ以上の要求〕〔不確かさ〕〔変化や多様性を支持する傾向〕が,帰結には<調整範囲が広がる><外部からの衝撃に強くなる><協調性が向上する><思慮深くなる><情緒的に安定する>が抽出された. 結論:更年期女性の健康を促進するケアにおいてflexibilityは重要な概念と考える.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888