青森県十和田地域における難治性肺炎牛の原因菌,薬剤感受性及び予後調査

一次診療で治癒しなかった難治性肺炎牛を対象に気管支肺胞洗浄液(BALF)から分離された原因菌,薬剤感受性及び予後を調査した。おもな分離菌はMycoplasma bovis(41.7%),Trueperella pyogenes(29.2%),Pasteurella multocida(26.4%),Mannheimia haemolytica(8.3%)で,薬剤感受性に基づいた抗菌薬治療で62.5%の牛が予後良好であった。一方,予後不良牛のBALFから薬剤耐性を示すM. bovisが高い割合で分離され,感受性のある抗菌薬選択はかぎられていた。その他の分離菌においても,予後不良群では多くの抗菌薬...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 75; no. 10; pp. e174 - e179
Main Authors 佐々木, 結香, 前田, 洋佑, 佐藤, 将伍, 菅野, 智裕, 高橋, 史昭, 田邊, 太志, 森, 俊介, 菊池, 元宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.10.2022
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Summary:一次診療で治癒しなかった難治性肺炎牛を対象に気管支肺胞洗浄液(BALF)から分離された原因菌,薬剤感受性及び予後を調査した。おもな分離菌はMycoplasma bovis(41.7%),Trueperella pyogenes(29.2%),Pasteurella multocida(26.4%),Mannheimia haemolytica(8.3%)で,薬剤感受性に基づいた抗菌薬治療で62.5%の牛が予後良好であった。一方,予後不良牛のBALFから薬剤耐性を示すM. bovisが高い割合で分離され,感受性のある抗菌薬選択はかぎられていた。その他の分離菌においても,予後不良群では多くの抗菌薬に対して耐性であり,治療が非常に困難であった。本調査より耐性菌増加が肺炎治癒率を低下させている実態が明らかとなった。
Bibliography:945420
ZZ00014801
ISSN:0446-6454