微生物性リスク評価における用量反応関係に対する対数ロジスティックモデルの適用

食品安全における微生物性リスク評価は病原体の感染リスクを減らすために有効な手段である。用量反応関係は人々がある病原体に暴露される量とその病原体による健康被害の確率との関係を明確にすることを目的とする。これまで提案されてきた多くの用量反応モデルの中で指数モデルとベータポアソンモデルは国際的に使われてきたが,特定のデータに対してどちらのモデルを選ぶかは単にフィットの良さで決まる。一方,対数ロジスティックモデルは代替モデルの1つであり,用量反応関係にはほとんど検討されて来なかった。そこで,本研究では本モデルの用量反応関係への適用を感染(あるいは致死)に関する仮想および実験データを用いて上記2種のモデ...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 62; no. 2; pp. 37 - 43
Main Author 藤川, 浩
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 01.04.2021
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Summary:食品安全における微生物性リスク評価は病原体の感染リスクを減らすために有効な手段である。用量反応関係は人々がある病原体に暴露される量とその病原体による健康被害の確率との関係を明確にすることを目的とする。これまで提案されてきた多くの用量反応モデルの中で指数モデルとベータポアソンモデルは国際的に使われてきたが,特定のデータに対してどちらのモデルを選ぶかは単にフィットの良さで決まる。一方,対数ロジスティックモデルは代替モデルの1つであり,用量反応関係にはほとんど検討されて来なかった。そこで,本研究では本モデルの用量反応関係への適用を感染(あるいは致死)に関する仮想および実験データを用いて上記2種のモデルと比較しながら検討した。実験データは病原大腸菌,Listeria monocytogenes,Cryptosporidium pavrumなどの病原微生物に関するデータであった。結果として,本モデルは上記のモデルと比較してデータに良くフィットした。これらの結果から,本モデルは他の2種のモデルと同様,用量反応関係に適用できる能力があることが示唆された。
Bibliography:937761
ZZ00009680
ISSN:0015-6426