Genogroup Iに属するワクチン株を使用するアカバネ病不活化ワクチンの効果的なワクチネーションプログラムの検討

アカバネ病の予防に効果的なワクチンプログラムを評価するために,genogroup I(GI)に属するアカバネウイルス(AKAV)を抗原としたワクチンを育成牛に接種し,AKAVのgenogroup II(GII)に属するJaGAr39株とGIに属するKM-2/Br/06株に対する中和抗体価を測定した。試験には生ワクチン(TS-C2株: 以下,L),不活化ワクチン(KN-06株: 以下,NK,OBE-1株: 以下,K)の3種類を使用した。Lを1回接種後,NKを3回接種した群(A群),NKを3回接種した群(B群),Kを3回接種した群(C群)の3群とワクチン未接種群を設定し,1群5頭にて試験を実施した...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 70; no. 9; pp. 584 - 588
Main Authors 水戸, 康明, 富永, 由香, 高岡, 亜沙子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.09.2017
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Summary:アカバネ病の予防に効果的なワクチンプログラムを評価するために,genogroup I(GI)に属するアカバネウイルス(AKAV)を抗原としたワクチンを育成牛に接種し,AKAVのgenogroup II(GII)に属するJaGAr39株とGIに属するKM-2/Br/06株に対する中和抗体価を測定した。試験には生ワクチン(TS-C2株: 以下,L),不活化ワクチン(KN-06株: 以下,NK,OBE-1株: 以下,K)の3種類を使用した。Lを1回接種後,NKを3回接種した群(A群),NKを3回接種した群(B群),Kを3回接種した群(C群)の3群とワクチン未接種群を設定し,1群5頭にて試験を実施した。KM-2/Br/06株に対する中和抗体価は,A群とB群がC群と比べてワクチン接種後有意に高い値であった。NKを2回接種すると,ヌカカの活動する6~11月の間にGIとGIIに属するAKAVによるアカバネ病を予防できる中和抗体価が持続することを確認できた。アカバネ病の予防には,GIとGIIの両方をカバーできることから,臨床現場においてKワクチンよりNKワクチンの方がより有用と考えられた。
Bibliography:ZZ00014801
920065
ISSN:0446-6454