ポニーにおけるHalicephalobus gingivalisによる肉芽腫性腎炎と髄膜脳脊髄炎

10歳の去勢シェットランドポニーが食欲不振、運動失調、遊泳運動、意識混濁を呈し死亡した。剖検では、腎臓に多発性の肉芽腫性結節、小脳に微小壊死巣が認められた。組織学的に、腎臓で広範囲の肉芽腫とHalicephalobus gingivalis様線虫がみられた。同様の線虫は、腎リンパ節と小脳の肉芽腫性あるいは壊死性病巣ならびに脳脊髄髄膜の血管病巣でしばしば認められた。形態的特徴およびリボソームRNA遺伝子の大サブユニットの塩基配列解析により、この線虫は、H.gingivalisであることが示唆された。これらの結果より、H.gingivalisがこのポニーに肉芽腫性腎炎と髄膜脳脊髄炎を引き起こしたと...

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Published inJournal of veterinary medical science Vol. 69; no. 11; pp. 1187 - 1190
Main Authors 赤上, 正貴, 芝原, 友幸, 吉賀, 豊司, 田中, 信明, 矢口, 裕司, 小貫, 登輝夫, 近藤, 高志, 山中, 隆史, 久保, 正法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.11.2007
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Summary:10歳の去勢シェットランドポニーが食欲不振、運動失調、遊泳運動、意識混濁を呈し死亡した。剖検では、腎臓に多発性の肉芽腫性結節、小脳に微小壊死巣が認められた。組織学的に、腎臓で広範囲の肉芽腫とHalicephalobus gingivalis様線虫がみられた。同様の線虫は、腎リンパ節と小脳の肉芽腫性あるいは壊死性病巣ならびに脳脊髄髄膜の血管病巣でしばしば認められた。形態的特徴およびリボソームRNA遺伝子の大サブユニットの塩基配列解析により、この線虫は、H.gingivalisであることが示唆された。これらの結果より、H.gingivalisがこのポニーに肉芽腫性腎炎と髄膜脳脊髄炎を引き起こしたと考えられた。
Bibliography:760075
ZZ00004754
ISSN:0916-7250