顆粒球コロニー刺激因子による犬拡張型心筋症3例の治療試験

3頭の犬が、心臓の障害に関する検査を受けるために来院した。心電図で、3頭のうち2頭に、心室性頻拍を伴う重篤な頻脈性不整脈と心房細動がみられた。特に、3頭の心エコー所見では、内径短縮率(FS)の著しい減少とE点心室中隔間距離(EPSS)に大きな増加が認められた。心電図と心エコーの評価結果から、3頭の犬は、拡張型心筋症(DCM)と診断された。症例は一般的な心治療を受けたが、臨床徴候が再発し、心機能は改善されなかった。そこで、顆粒球コロニー刺激因子を試みた(G-CSF、10μg/kg、皮下投与)。DCMにG-CSF療法を行う目的は心機能の改善であり、結果として、有意な心機能改善が確認された。治療を受...

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Published inJournal of veterinary medical science Vol. 69; no. 9; pp. 951 - 955
Main Authors Park, C, Yoo, J.H, Jeon, H.W, Kang, B.T, Kim, J.H, Jung, D.I, Lim, C.Y, Lee, H.J, Hahm, D.H, Woo, E.J, Park, H.M
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.09.2007
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Summary:3頭の犬が、心臓の障害に関する検査を受けるために来院した。心電図で、3頭のうち2頭に、心室性頻拍を伴う重篤な頻脈性不整脈と心房細動がみられた。特に、3頭の心エコー所見では、内径短縮率(FS)の著しい減少とE点心室中隔間距離(EPSS)に大きな増加が認められた。心電図と心エコーの評価結果から、3頭の犬は、拡張型心筋症(DCM)と診断された。症例は一般的な心治療を受けたが、臨床徴候が再発し、心機能は改善されなかった。そこで、顆粒球コロニー刺激因子を試みた(G-CSF、10μg/kg、皮下投与)。DCMにG-CSF療法を行う目的は心機能の改善であり、結果として、有意な心機能改善が確認された。治療を受けた3頭の犬は副作用を示さなかった。この症例報告は、一般的な治療に反応しない犬DCMに対するG-CSFの治療効果を示唆している。
Bibliography:760031
ZZ00004754
ISSN:0916-7250