イヌの腸管におけるMonocarboxlate transporter 1(MCT1)の発現

本研究では、イヌの腸管(十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸)におけるMonocarboxylate transporter 1(MCT1)の発現と分布をRT-PCR、Western blottingおよび免疫組織化学的手法を用いて検索した。腸管全域の粘膜上皮にmRNAおよび蛋白質レベルでMCT1の発現が認められ、免疫染色ではMCT1は粘膜上皮細胞の血管側側底膜上(basolateral membane)に限局して観察された。MCT1の発現は大腸で小腸より強く認められた。イヌの消化管においてMCT1は乳酸や短鎖脂肪酸(SCFA:Short chain fatty acids)などの血管側への...

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Published inJournal of veterinary medical science Vol. 69; no. 6; pp. 599 - 604
Main Authors 下山, 由美子, 秋原, 祐子, Kirat, D, 川迫, 祐子, 小嶺, 美紗, 平山, 和子, 松田, 一哉, 岡本, 実, 岩野, 英和, 加藤, 清雄, 谷山, 弘行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.06.2007
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Summary:本研究では、イヌの腸管(十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸)におけるMonocarboxylate transporter 1(MCT1)の発現と分布をRT-PCR、Western blottingおよび免疫組織化学的手法を用いて検索した。腸管全域の粘膜上皮にmRNAおよび蛋白質レベルでMCT1の発現が認められ、免疫染色ではMCT1は粘膜上皮細胞の血管側側底膜上(basolateral membane)に限局して観察された。MCT1の発現は大腸で小腸より強く認められた。イヌの消化管においてMCT1は乳酸や短鎖脂肪酸(SCFA:Short chain fatty acids)などの血管側への運搬に重要な役割を持つと考えられた。イヌの腸管におけるMCT1の発現の報告は本報が初めてである。
Bibliography:742627
ZZ00004754
ISSN:0916-7250