ウサギ前十字靭帯切除後の付着部軟骨細胞のアポトーシスとグリコサミノグリカンの減少

前十字靭帯(CCL)断裂後の付着部石灰化線維軟骨層における経時的な組織変化を調査した。20羽のウサギの右後肢にCCL切除術を施し(切除群)、左後肢には関節切開術を施した(対照群)。手術後1、2、4、6週の段階で安楽死させ(各週齢5羽ずつ)、CCL-脛骨複合体の切片に、HE染色、サフラニン-O染色およびTUNEL染色を施した。タイドマークの遠位端から層板骨までを石灰化軟骨層として軟骨細胞のTUNEL陽性率およびグリコサミノグリカン(GAG)面積を計測した。石灰化線維軟骨層のTUNEL陽性細胞率は術後2週(23.8%)および4週(15.9%)では切除群のほうが対照群より高く、切除群内では2週が最も...

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Published inJournal of veterinary medical science Vol. 69; no. 3; pp. 253 - 258
Main Authors 服部, 晋也, 坂根, 正孝, 六崎, 裕高, 田中, 順三, 落合, 直之, 中島, 弘美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.03.2007
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ISSN0916-7250

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Summary:前十字靭帯(CCL)断裂後の付着部石灰化線維軟骨層における経時的な組織変化を調査した。20羽のウサギの右後肢にCCL切除術を施し(切除群)、左後肢には関節切開術を施した(対照群)。手術後1、2、4、6週の段階で安楽死させ(各週齢5羽ずつ)、CCL-脛骨複合体の切片に、HE染色、サフラニン-O染色およびTUNEL染色を施した。タイドマークの遠位端から層板骨までを石灰化軟骨層として軟骨細胞のTUNEL陽性率およびグリコサミノグリカン(GAG)面積を計測した。石灰化線維軟骨層のTUNEL陽性細胞率は術後2週(23.8%)および4週(15.9%)では切除群のほうが対照群より高く、切除群内では2週が最も高いTUNEL陽性率を示した。また、GAG面積は術後6週で切除群のほうが対照群に比べて有意に小さかった。CCL切除後、2週をピークに付着部軟骨層のアポトーシス細胞の増加を認め、その後、GAGの染色性の低下という組織変化は6週で見られた。以上の結果から、CCL断裂後の付着部軟骨層は、軟骨細胞のアポトーシス変化の後、組織変化が引き起こされる可能性が高いと考えられた。
Bibliography:742561
ZZ00004754
ISSN:0916-7250