ネパールの水牛におけるリピートブリーダーの臨床的特徴
ネパール南部で飼育されている水牛のうち、集団繁殖検診を受診し、リピートブリーダーと診断された85例について、繁殖歴を調査し、栄養状態および生殖器の検査を行うとともに、必要に応じて、治療を行った。85例中51例(60%)は未経産であり、経産牛34例中58%は分娩後100日以上を経過していた。全症例の25%で子宮頸管炎が認められた。分娩後12ヶ月以上を経過している経産牛と栄養状態が良好な未経産牛の内、明瞭な黄体を有するものにはPGF2αを、そして、明瞭な黄体がなく直径10mm以上の主席卵胞を有するものにはGnRHをそれぞれ筋肉内投与した。それ以外の症例には、ビタミン・ミネラル混合添加剤を3週間給与...
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Published in | The Journal of reproduction and development Vol. 52; no. 3; pp. 335 - 341 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
01.06.2006
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ISSN | 0916-8818 |
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Summary: | ネパール南部で飼育されている水牛のうち、集団繁殖検診を受診し、リピートブリーダーと診断された85例について、繁殖歴を調査し、栄養状態および生殖器の検査を行うとともに、必要に応じて、治療を行った。85例中51例(60%)は未経産であり、経産牛34例中58%は分娩後100日以上を経過していた。全症例の25%で子宮頸管炎が認められた。分娩後12ヶ月以上を経過している経産牛と栄養状態が良好な未経産牛の内、明瞭な黄体を有するものにはPGF2αを、そして、明瞭な黄体がなく直径10mm以上の主席卵胞を有するものにはGnRHをそれぞれ筋肉内投与した。それ以外の症例には、ビタミン・ミネラル混合添加剤を3週間給与するように指示した。また、子宮頸管炎例には、ルゴールによる膣内洗浄を行った。治療後1ヶ月以内の受胎率は、PGF2α投与群で66.9-100%、GnRH投与群で75.0-100%、ビタミン・ミネラル添加剤の給与群で50.0-58.4%であった。このように、ネパール南部で繁殖検診を受診する水牛リピートブリーダー例では、未経産例が多く、分娩後初診までの期間が長く、子宮頸管炎に罹患しているものが多いこと、そして、GnRHおよびPGF2αなどのホルモンによる治癒率が高いことが示唆された。 |
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Bibliography: | 730440 ZZ00014744 |
ISSN: | 0916-8818 |