タマネギカルスにおける植物体再分化過程の組織学的解明

タマネギカルスからの植物体再分化の過程を明らかにするために再分化過程を組織学的に観察した。再分化培地に置床したカルスから不定胚様の組織が形成され、それらから植物体が再分化した。その過程を組織学的に観察した結果、カルスから球状胚が形成された後、さらに茎頂部と幼根部が維管束で連絡された構造を持つ不定胚へと発達していく過程を明らかにできた。一方、再分化培地に置床したカルスから奇形のシュート様組織が観察された。組織学的に観察したところ、このような組織は器官形成に由来するものであると考えられたが、その後完全なシュートまたは植物体へとは発達しなかった。これらのことから、再分化した植物体は不定胚形成を経てい...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 73; no. 4; pp. 340 - 342
Main Authors 谷川, 毅, 浦郷, 央昭, 高儀, 雅俊, 一井, 眞比古
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.07.2004
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ISSN0013-7626

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Summary:タマネギカルスからの植物体再分化の過程を明らかにするために再分化過程を組織学的に観察した。再分化培地に置床したカルスから不定胚様の組織が形成され、それらから植物体が再分化した。その過程を組織学的に観察した結果、カルスから球状胚が形成された後、さらに茎頂部と幼根部が維管束で連絡された構造を持つ不定胚へと発達していく過程を明らかにできた。一方、再分化培地に置床したカルスから奇形のシュート様組織が観察された。組織学的に観察したところ、このような組織は器官形成に由来するものであると考えられたが、その後完全なシュートまたは植物体へとは発達しなかった。これらのことから、再分化した植物体は不定胚形成を経ていたことが示唆された。
Bibliography:ZZ00015006
692639
ISSN:0013-7626