ニホンジカ(Cervus nippon)成熟雄における血清LHおよびテストステロン濃度の周年変化

ニホンジカは日本における養鹿の対象種として有用であるが、雄の生殖内分泌に関する報告が少ない。特に同種の雄における血中LH濃度は、過去の報告の事例がない。そこで本研究は、雄ニホンジカにおける血清LHおよびテストステロンの周年変化について検討した。血液サンプルは成熟雄3頭を対象とし、毎月1回の頻度で3年間にわたって採取した。血清LH濃度は二抗体EIA法、血清テストステロン濃度は時間分解蛍光免疫測定法で測定した。LH濃度は5月から7月にかけてピークを示し、テストステロン濃度は9月または10月にピークを示した。成熟雄ニホンジカにおけるLHとテストステロンは、他の温帯域に生息するシカ類と類似した周年リズ...

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Published inThe Journal of reproduction and development Vol. 48; no. 6; pp. 613 - 617
Main Authors 亀山, 祐一, 宮本, 明夫, 小林, 修一, 桑山, 岳人, 石島, 芳郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.12.2002
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Summary:ニホンジカは日本における養鹿の対象種として有用であるが、雄の生殖内分泌に関する報告が少ない。特に同種の雄における血中LH濃度は、過去の報告の事例がない。そこで本研究は、雄ニホンジカにおける血清LHおよびテストステロンの周年変化について検討した。血液サンプルは成熟雄3頭を対象とし、毎月1回の頻度で3年間にわたって採取した。血清LH濃度は二抗体EIA法、血清テストステロン濃度は時間分解蛍光免疫測定法で測定した。LH濃度は5月から7月にかけてピークを示し、テストステロン濃度は9月または10月にピークを示した。成熟雄ニホンジカにおけるLHとテストステロンは、他の温帯域に生息するシカ類と類似した周年リズムで調節されていることが明らかとなった。
Bibliography:ZZ00014744
661595
ISSN:0916-8818