ラジカル開始剤を投与したニワトリヒナに及ぼすL-アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩の影響

ラジカル開始剤である2、2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)を投与したニワトリヒナに及ぼすL-アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(APM)の飼料添加の影響について検討した。ヒナにアスコルビン酸(AA)源として、AAの安定な誘導体であるAPMを飼料に添加して7日間給与した。7日間の給与後、ヒナにAAPHを腹腔投与し、AAPH投与後6時間の血漿および肝臓における、AA濃度および脂質過酸化の指標であるチオバルビツール酸反応物(TBARS)濃度を測定した。APM給与により血漿および肝臓のAA濃度は上昇した。AAPH投与により肝臓AA濃度は減少したが、血漿AA濃度は増加し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe journal of poultry science Vol. 39; no. 3; pp. 179 - 184
Main Authors 佐々木, 啓介, 佐野, 満昭, 佐藤, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.07.2002
Online AccessGet full text
ISSN1346-7395

Cover

More Information
Summary:ラジカル開始剤である2、2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)を投与したニワトリヒナに及ぼすL-アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(APM)の飼料添加の影響について検討した。ヒナにアスコルビン酸(AA)源として、AAの安定な誘導体であるAPMを飼料に添加して7日間給与した。7日間の給与後、ヒナにAAPHを腹腔投与し、AAPH投与後6時間の血漿および肝臓における、AA濃度および脂質過酸化の指標であるチオバルビツール酸反応物(TBARS)濃度を測定した。APM給与により血漿および肝臓のAA濃度は上昇した。AAPH投与により肝臓AA濃度は減少したが、血漿AA濃度は増加した。また、AAPH投与は肝臓TBARS濃度を上昇させ、血漿TBARS濃度を低下させた。AAPH投与後の血漿と肝臓のTBARS量は、APM給与群において、対照群に対して有意に低かった。血漿のパーオキシラジカル捕捉活性は、APM給与により対照群に対して有意に高くなった。APMはヒナの体内においてAAとして利用され、血漿及び肝臓AAと、血漿におけるラジカル捕捉活性を上昇させることで、AAPHによる酸化ストレスに対して防御的に働いたものと考えられた。
Bibliography:ZZ20007115
661087
ISSN:1346-7395