シバヤギにおけるプロスタグランジンF2αの繰返し投与による不完全性周期の誘起
反芻動物においては性周期中に排卵に至らない卵胞群の発育(潜在的卵胞発育波)が起こることが知られている。本実験においては、シバヤギを用いて、黄体を退行させることにより潜在的卵胞発育波を連続的に短い間隔で排卵にまで至らせることができるかどうかについて検討した。超音波画像診断装置により卵胞の発育を観察し、排卵後第3、4日にプロスタグランジン(PG)F2αを投与して黄体を退行させたところ、約6日後に排卵が起こった。さらに、このようにして誘起した排卵後、同様にPGF2αと処置を繰り返すことにより、平均6.5日間隔で4周期にわたって排卵を誘起することができた。一方、PGF2αとともにプロジェステロンを投与...
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Published in | The Journal of reproduction and development Vol. 47; no. 2; pp. 97 - 103 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
01.04.2001
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Summary: | 反芻動物においては性周期中に排卵に至らない卵胞群の発育(潜在的卵胞発育波)が起こることが知られている。本実験においては、シバヤギを用いて、黄体を退行させることにより潜在的卵胞発育波を連続的に短い間隔で排卵にまで至らせることができるかどうかについて検討した。超音波画像診断装置により卵胞の発育を観察し、排卵後第3、4日にプロスタグランジン(PG)F2αを投与して黄体を退行させたところ、約6日後に排卵が起こった。さらに、このようにして誘起した排卵後、同様にPGF2αと処置を繰り返すことにより、平均6.5日間隔で4周期にわたって排卵を誘起することができた。一方、PGF2αとともにプロジェステロンを投与することにより、排卵は抑制された。短い間隔で4回排卵を誘起した後に雄と交配したところ、正常な妊娠、分娩が起こった。これらの結果より、黄体からのプロジェステロン分泌が阻止されれば、シバヤギは正常な発情行動と受精可能な卵子の排卵を伴う不完全性周期様の性周期を回帰できることが明らかとなった。 |
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Bibliography: | 630718 ZZ00014744 |
ISSN: | 0916-8818 |