腎移植
30年前までは不治の病であった腎不全も, 現在では透析療法の進歩により社会復帰も可能となった. しかし, 長期透析による合併症や糖尿病などの原疾患に伴う合併症により完全な社会復帰への障害も生じてくる. 腎移植は両親, 同胞, 死体などの腎を移植し, 腎機能の回復を目指す根治療法である. 1960年代より免疫抑制剤の開発により拒絶反応のコントロールが容易となり広く普及してきたが, 強力な免疫抑制に伴う感染症も問題となっている. B. 腎移植の概略 現在, わが国では年間700~800例の腎移植が行われている. レシピエントの原疾患は慢性糸球体腎炎が約3/4を占め, 次いで原因不明の慢性腎不全,...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 578 - 579 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.08.1997
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Summary: | 30年前までは不治の病であった腎不全も, 現在では透析療法の進歩により社会復帰も可能となった. しかし, 長期透析による合併症や糖尿病などの原疾患に伴う合併症により完全な社会復帰への障害も生じてくる. 腎移植は両親, 同胞, 死体などの腎を移植し, 腎機能の回復を目指す根治療法である. 1960年代より免疫抑制剤の開発により拒絶反応のコントロールが容易となり広く普及してきたが, 強力な免疫抑制に伴う感染症も問題となっている. B. 腎移植の概略 現在, わが国では年間700~800例の腎移植が行われている. レシピエントの原疾患は慢性糸球体腎炎が約3/4を占め, 次いで原因不明の慢性腎不全, 腎感染症, 嚢胞腎, 紫斑病性腎炎などである. ドナーは両親, 死体, 同胞などであるが, わが国では生体腎移植が中心で, 死体腎ドナーの割合は30%前後と欧米と比較して低い. レシピエントの標準的手術は下腹部に孤状切開し, 腸骨窩へ異所性に移植する. 先ず腎静脈を外腸骨静脈に端側吻合, 次いで腎動脈を内腸骨動脈に端々吻合, 最後に尿管を膀胱に吻合する. |
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ISSN: | 0546-1448 |