8. 長期にわたるリハビリテーションにより独歩で自宅退院した重症ギラン・バレー症候群患者の1例
重度ギラン, バレー症候群(GBS)により四肢麻痺, 呼吸不全となり, 四肢, 膝, 腰背部疹痛, 肥満, 陳旧性心筋梗塞を合併し, リハビリテーションに難渋したが, 杖歩行が可能となった症例を経験したので報告する. 【症例】69歳, 女性. 既往歴は腰椎椎間板ヘルニア, 両変形性膝関節症, 高血圧, 高脂血症. 2002年7月心筋梗塞にて冠動脈ステント術施行. 同年9月4日四肢遠位部優位のしびれ出現, 以後症状進行し両下肢筋力低下認め当院神経内科にてGBSと診断. 9月8日, 弛緩性四肢麻痺, 人工呼吸器管理となり, 大量免疫グロブリン療法, 血漿交換療法施行されたが四肢麻痺残存. 2003...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 5; p. 326 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.05.2004
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 重度ギラン, バレー症候群(GBS)により四肢麻痺, 呼吸不全となり, 四肢, 膝, 腰背部疹痛, 肥満, 陳旧性心筋梗塞を合併し, リハビリテーションに難渋したが, 杖歩行が可能となった症例を経験したので報告する. 【症例】69歳, 女性. 既往歴は腰椎椎間板ヘルニア, 両変形性膝関節症, 高血圧, 高脂血症. 2002年7月心筋梗塞にて冠動脈ステント術施行. 同年9月4日四肢遠位部優位のしびれ出現, 以後症状進行し両下肢筋力低下認め当院神経内科にてGBSと診断. 9月8日, 弛緩性四肢麻痺, 人工呼吸器管理となり, 大量免疫グロブリン療法, 血漿交換療法施行されたが四肢麻痺残存. 2003年1月に抜管, 3月末に端座位可となり同年4月に当院に転院. 転院時, 意識清明, BMI30.9, FIM 53点, 基本動作はほぼ全介助. 両膝疼痛コントロール, 食事, 心機能, 過負荷, 精神的側面などに配慮しながらリハ施行した結果, BMI 24, FIM 114点, T字杖歩行可能, 上肢機能は病前の趣味であった洋服の絵付けも可能となり同年12月18日自宅退院となった. 【考察】GBSの機能回復には長期間かかるため, 自宅退院という最終目標までの過程が不明瞭になる可能性を考え, 短期間ごとに目標を設定した. 移動能力とともに, 生活機能と障害の全体像の改善に重点をおいたリハの継続が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |