18.乳癌患者におけるTaxane系薬剤による感覚性神経障害の評価について

【目的】Paclitaxel(TXL)は, 乳癌患者を治療する上でKey drugとなった. しかし, 我々外来化学療法を担当するデイケアセンターの看護師はTXL治療を受ける患者より神経障害の訴えを聞くが, 障害の程度の判定に戸惑うことがある. 今回, 糖尿病性神経障害の判定方法のタッチテスト(TT)を用いて, 治療中患者の神経障害の評価を行った. 【対象】乳癌患者抗癌剤治療前症例8例と術後補助療法でTXL(175mg/平方メートル)を治療前後でTTを行った2例. 【方法】太さの異なるモノフィラメント(Target Force:TF 0.07, 0.4,2,4,10,300g)を足底の4部位に...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 180
Main Authors 下永吉麻里, 井上裕子, 小島志保子, 小林美智子, 岩村千津, 宇野みな子, 井上賢一, 田部井敏夫, 二宮淳, 堀井吉雄, 武井寛幸, 末益公人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2004
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:【目的】Paclitaxel(TXL)は, 乳癌患者を治療する上でKey drugとなった. しかし, 我々外来化学療法を担当するデイケアセンターの看護師はTXL治療を受ける患者より神経障害の訴えを聞くが, 障害の程度の判定に戸惑うことがある. 今回, 糖尿病性神経障害の判定方法のタッチテスト(TT)を用いて, 治療中患者の神経障害の評価を行った. 【対象】乳癌患者抗癌剤治療前症例8例と術後補助療法でTXL(175mg/平方メートル)を治療前後でTTを行った2例. 【方法】太さの異なるモノフィラメント(Target Force:TF 0.07, 0.4,2,4,10,300g)を足底の4部位に垂直に押さえ患者の感じる閾値を記録した. 【結果】TXL治療前症例の全例TFの閾値は2g以下であった. 一方, 3サイクルTXLを投与された2症例とも全部位で閾値TF4g以上となり, 1例は閾値TF300gの部位も認めた. 【結語】TXLの感覚性神経障害の評価において, TTは簡便で, 安全かつ定量性のある検査である. 今後症例を重ね, 神経障害を定量的に評価することで, 患者に対して的確なアドバイスを可能にしたい. また医師に対してもTTの結果を共有し診療に役立てもらいたい.
ISSN:1343-2826