9. シリンジヘッドスペース法による血中トルエンのモニタリング

われわれは, 微量末梢血を利用したシリンジ, ヘッドスペース, ガスクロマトグラフ法を考案し, 良好な精度でppbオーダーの血中VOCsの測定を可能にした. そこで本法を印刷作業者の血中Toluene濃度の測定に適用し, 個人暴露濃度や尿中場尿酸との関係を検討した. 溶剤の主成分がTolueneである某グラビア印刷工場において作業環境測定と個人曝露および作業者血中Toluene, 尿中馬尿酸を測定した. 作業環境測定と個人曝露はパッシブサンプラー法によった. また, 血中Tolueneと尿中馬尿酸は作業終了後の検診時に採取された血液と尿を用い測定した. 作業環境中Tolueneは, GM170...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 1; p. 46
Main Authors 須那滋, 浅川冨美雪, 呉羽晃徳, 鈴江毅, 万波俊文, 平尾智広, 多田慎也, 實成文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2006
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:われわれは, 微量末梢血を利用したシリンジ, ヘッドスペース, ガスクロマトグラフ法を考案し, 良好な精度でppbオーダーの血中VOCsの測定を可能にした. そこで本法を印刷作業者の血中Toluene濃度の測定に適用し, 個人暴露濃度や尿中場尿酸との関係を検討した. 溶剤の主成分がTolueneである某グラビア印刷工場において作業環境測定と個人曝露および作業者血中Toluene, 尿中馬尿酸を測定した. 作業環境測定と個人曝露はパッシブサンプラー法によった. また, 血中Tolueneと尿中馬尿酸は作業終了後の検診時に採取された血液と尿を用い測定した. 作業環境中Tolueneは, GM1709ppm, GSD1.71であり, 作業環境管理区分1に属した. 個人曝露濃度は3.2-31.5ppmの範囲にあり, 許容濃度を越える者はいなかった. 血中Tolueneは42.4-438.1ng/mlの範囲で, 個人曝露濃度と血中Toluene濃度の間には強い相関(r=0.787)がみられた. なお, 個人曝露濃度と尿中馬尿酸濃度の関係に相関はなかった.
ISSN:1341-0725