13.女性ホルモンと運動の大動脈壁弾性・血圧への影響
運動が, 女性の閉経後に認められる血圧上昇に対し抑制効果があるか検討した報告は少ない. 本研究では, ヒトの更年期症候群に類似した閉経後モデルである卵巣摘除ラットを用い, 大動脈壁弾性や血圧に対する運動の効果について検討を行った. 8週齢の雌正常血圧ラット(Wistar-Kyoto rats)を安静偽手術群, 運動偽手術群, 安静卵巣摘除群, 運動卵巣摘除群に分け, 8, 12, 16, 20週齢時にtailcuff法により収縮期血圧, 心拍数を測定した. 大動脈壁伸展性は, 脈波伝達速度により評価した. その結果, 運動は, 女性ホルモン低下に伴う血圧の上昇を抑制した. また, 卵巣摘除に伴...
Saved in:
Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 7; p. 482 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.2004
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 運動が, 女性の閉経後に認められる血圧上昇に対し抑制効果があるか検討した報告は少ない. 本研究では, ヒトの更年期症候群に類似した閉経後モデルである卵巣摘除ラットを用い, 大動脈壁弾性や血圧に対する運動の効果について検討を行った. 8週齢の雌正常血圧ラット(Wistar-Kyoto rats)を安静偽手術群, 運動偽手術群, 安静卵巣摘除群, 運動卵巣摘除群に分け, 8, 12, 16, 20週齢時にtailcuff法により収縮期血圧, 心拍数を測定した. 大動脈壁伸展性は, 脈波伝達速度により評価した. その結果, 運動は, 女性ホルモン低下に伴う血圧の上昇を抑制した. また, 卵巣摘除に伴い大動脈壁伸展性は低下し, 運動はその低下を抑制した. さらに, 運動は, 女性ホルモンの多寡に関わらず同程度の大動脈壁伸展性を上昇させたが, 最も大動脈壁弾性が高かったのは, 運動偽手術群であった. 以上の結果から, 高い大動脈壁伸展性を保つためには正常な女性ホルモンレベルでの運動がより効果的であることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |