4. 足底加重計による作業姿勢の評価

経験が浅い作業者においては, 一般的に「腰が入っていない」といわれる不自然な姿勢で作業していることが多いとされており, 腰や膝の疼痛を訴えやすい. このような症例は, その不均衡の是正で疲労や腰痛を軽減できないかと考え, 作業姿勢の不均衡を反映すると思われる作業中の足底荷重測定をのこぎり引き作業において行った. 熟練者における作業中の足底荷重分布は, 腫, 内側, 外側とほぼ均等にかかっており, また, 荷重の合計も少なくて済んでいるのに対し, 初心者においては, 踵への荷重が大きく, 足底前方への荷重が少なかった. さらに, 作業中の総荷重も熟練者にくらべて高かった. これらの結果から, 熟...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 234 - 235
Main Authors 照沼にい菜, 筒井隆夫, 筒井保博, 東敏昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2007
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Summary:経験が浅い作業者においては, 一般的に「腰が入っていない」といわれる不自然な姿勢で作業していることが多いとされており, 腰や膝の疼痛を訴えやすい. このような症例は, その不均衡の是正で疲労や腰痛を軽減できないかと考え, 作業姿勢の不均衡を反映すると思われる作業中の足底荷重測定をのこぎり引き作業において行った. 熟練者における作業中の足底荷重分布は, 腫, 内側, 外側とほぼ均等にかかっており, また, 荷重の合計も少なくて済んでいるのに対し, 初心者においては, 踵への荷重が大きく, 足底前方への荷重が少なかった. さらに, 作業中の総荷重も熟練者にくらべて高かった. これらの結果から, 熟練者は足底に偏りなく荷重をかけ, 重心を床面に垂直に保ったまま腰を落として高さを調節していることが推測され, そのため少ない負担で効率よく作業でき, これを「腰が入っている」作業と呼ぶのではないかと考えた.
ISSN:1341-0725
1349-533X