56.健康診断を取り巻く「保健指導体制」-山梨県の実態

山梨県内に所在する事業場を対象に, 健診を行う目的や意義の理解度, 事後指導体制の実態を把握するためにアンケート調査用紙を作成した. 用紙の郵送は250部, 回収125部(回収率:50%)であった. 健診結果を受診者に1~3ヵ月後に通知すると答えた事業場は約10%であり, 要精検者や要再検者がいた場合の対応が遅れ, 疾病が悪化する可能性がある. また結果を把握していない事業場も2%ほどあった. 健診結果を保管していない事業場は4%あった. また, 監督署に提出が義務付けられている従業員50人以上の事業場で未提出な事業場は27%あった. 健診結果を疫学的に解析していない事業場は75%に及んだ....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 6; p. 238
Main Authors 金子誉, 牧野麻美, 林部里栄子, 佐藤章夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2006
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:山梨県内に所在する事業場を対象に, 健診を行う目的や意義の理解度, 事後指導体制の実態を把握するためにアンケート調査用紙を作成した. 用紙の郵送は250部, 回収125部(回収率:50%)であった. 健診結果を受診者に1~3ヵ月後に通知すると答えた事業場は約10%であり, 要精検者や要再検者がいた場合の対応が遅れ, 疾病が悪化する可能性がある. また結果を把握していない事業場も2%ほどあった. 健診結果を保管していない事業場は4%あった. また, 監督署に提出が義務付けられている従業員50人以上の事業場で未提出な事業場は27%あった. 健診結果を疫学的に解析していない事業場は75%に及んだ. 次回の健診の計画, 準備を行っていない事業場は16%あった. そのために産業衛生スタッフが労働衛生教育の必要性を理解するとともに, 健診機関, 病院などが積極的にアプローチしていくことが必要である.
ISSN:1341-0725