16. 両側下腿義足の歩行分析-片側例・健常人との比較
義足の歩行分析に関する報告は多々あるものの, 両側例に関するものは少ない. 今回4例の両下腿義足の床反力データが得られたので, 3例の片側例 216例の健常人データと比較検討した. 立脚 遊脚時間の割合は健常人で6:4, 両脚支持期は11.4%を占めていた. 両側例は左右等しく立脚時間 両脚支持期が延長し, 遊脚時間が短縮していた. 片側例では健側の立脚時間がより以上に延長していた. 10-20年装着していても義足には不安があって, 健脚に頼ろうとするのであろうか. 側方分力はその力積が義足例で健常人より増加していた, 前後分力は義足と健足で最も顕著な差がみられた. 駆動成分は義足の場合健常人...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 25; no. 4; p. 264 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.1988
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 義足の歩行分析に関する報告は多々あるものの, 両側例に関するものは少ない. 今回4例の両下腿義足の床反力データが得られたので, 3例の片側例 216例の健常人データと比較検討した. 立脚 遊脚時間の割合は健常人で6:4, 両脚支持期は11.4%を占めていた. 両側例は左右等しく立脚時間 両脚支持期が延長し, 遊脚時間が短縮していた. 片側例では健側の立脚時間がより以上に延長していた. 10-20年装着していても義足には不安があって, 健脚に頼ろうとするのであろうか. 側方分力はその力積が義足例で健常人より増加していた, 前後分力は義足と健足で最も顕著な差がみられた. 駆動成分は義足の場合健常人に比べ40%以上低下していた. 十分はきこなしていない両側例も, 長年装着している片側例も有意な差はみられない. これは蹴りだしという動作を行えない以上必然のことといえる. 垂直分力ピーク値は両側例では健常人と等しく, 片側例では義足側で低下していた. モーメントはかなりバラツキが大きかったが, 義足例で外旋モーメントが減少し, 内旋モーメントが増加する傾向がみられた. 義足はあくまで健足と異なるため, 健側との比較で義足の床反力をみようとするのは問題である. 立脚 遊脚時間の割合, 側方分力の大きさに適合判定の根拠が得られる可能性はあるように考えられる. 質問 渡辺英夫(座長):骨萎縮があると, どうして股関節裂隙が狭くなるのですか. |
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ISSN: | 0034-351X |