1. 巨大な食道悪性黒色腫の一例
症例は73歳, 男性. 平成18年3月体重減少, 嚥下困難, 嗄声を主訴に近医にてEGDを施行され食道腫瘍を認め当科紹介入院となった. EGD再検にて胸部中部食道を主坐とし長径10cmにわたる黒褐色の弾性軟な隆起性腫瘍を認め, 生検にて悪性黒色腫と診断された. 食道癌に準じた開胸開腹食道亜全摘を施行, 病理組織学的所見はpT3pN3(2b)M0, pStageIIIであった. 術後経過良好にて退院したが, 術後2ヶ月目のCTにて気管周囲および傍大動脈リンパ節再発を認め, DAC-Tam療法(DTIC・ACNU・CDDP・TAM)を2クール施行したがPDとなり, 胸膜播種, 皮膚転移をきたし術後...
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Published in | 山口医学 Vol. 56; no. 4; p. 139 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
31.08.2007
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Summary: | 症例は73歳, 男性. 平成18年3月体重減少, 嚥下困難, 嗄声を主訴に近医にてEGDを施行され食道腫瘍を認め当科紹介入院となった. EGD再検にて胸部中部食道を主坐とし長径10cmにわたる黒褐色の弾性軟な隆起性腫瘍を認め, 生検にて悪性黒色腫と診断された. 食道癌に準じた開胸開腹食道亜全摘を施行, 病理組織学的所見はpT3pN3(2b)M0, pStageIIIであった. 術後経過良好にて退院したが, 術後2ヶ月目のCTにて気管周囲および傍大動脈リンパ節再発を認め, DAC-Tam療法(DTIC・ACNU・CDDP・TAM)を2クール施行したがPDとなり, 胸膜播種, 皮膚転移をきたし術後8ヶ月目に死亡した. 食道悪性黒色腫は全食道悪性腫瘍の0.1~0.2%を占める稀な疾患で, 予後は極めて不良とされる. 若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0513-1731 |