13. 不完全分煙オフィス内浮遊粉塵濃度について

今回, 受動喫煙対策の基礎資料とする目的で, 不完全分煙オフィス内での喫煙による浮遊粉塵汚染状況を調査した. (方法) デジタル粉塵計を用い, 某社事務室を対象に, 室内等間隔測定による空間分布の断面的評価と, 定点(禁煙区域境界, 室内中央付近各1点)での一週間連続測定による時間分布評価を試みた. (結果) 空間分布測定では, 喫煙コーナーで浮遊粉塵濃度は高く, 基準の0.150mg/m3を超えていた. また, 禁煙区域側境界付近の浮遊粉塵濃度は室内中心よりも高く, タバコ煙の浸入の様子がうかがわれた. しかし, 測定が始まると, 喫煙の中断や, 喫煙コーナー利用の減少傾向がみられ, 実態を...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 145 - 146
Main Authors 須那滋, 高濱隆幸, 青木つね子, 平尾智広, 影山浩, 鈴江毅, 万波俊文, 浅川富美雪, 實成文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.07.2007
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Summary:今回, 受動喫煙対策の基礎資料とする目的で, 不完全分煙オフィス内での喫煙による浮遊粉塵汚染状況を調査した. (方法) デジタル粉塵計を用い, 某社事務室を対象に, 室内等間隔測定による空間分布の断面的評価と, 定点(禁煙区域境界, 室内中央付近各1点)での一週間連続測定による時間分布評価を試みた. (結果) 空間分布測定では, 喫煙コーナーで浮遊粉塵濃度は高く, 基準の0.150mg/m3を超えていた. また, 禁煙区域側境界付近の浮遊粉塵濃度は室内中心よりも高く, タバコ煙の浸入の様子がうかがわれた. しかし, 測定が始まると, 喫煙の中断や, 喫煙コーナー利用の減少傾向がみられ, 実態を反映した結果が得られにくかった. 時間分布測定では, 勤務日は始業時から終業時までの間に禁煙区域境界と室内中央地点いずれにおいても, 20~100μg/m3程度の範囲で, 間歇的な浮遊粉塵濃度の上昇下降が頻繁に繰り返される状況が観察された. また, 禁煙区域境界と室内中央地点の浮遊粉塵濃度には強い相関が認められ, 両地点の浮遊粉塵濃度の変動には密接な関連性があることがわかった. 以上から, 喫煙によるタバコ煙汚染が短時間のうちに室内全体に波及していくことが推測された.
ISSN:1341-0725