4. 不活性化ALDH2保持者で飲酒時に肝細胞壊死が抑制される可能性
【背景】一般的に不活性型ALDH(Acetaldehyde dehydrogenase)2保持者は肝組織中にアセトアルデヒドが集積することから, アルコール性肝障害の感受性が高い, と予測されてきた. しかし不活性型ALDH2保持者では比較的少量の飲酒でアルコール性肝障害が惹起されるとの報告がある一方, 不活性型ALDH2ではALT値が飲酒量と逆相関関係にあるとする報告もある. 【方法】10-11週令のAldh2ノックアウトマウスに20%エタノール5g/Kgを単回腹腔投与, または0~20%のエタノールを給水ボトルに混入し5週間投与した. 【結果】単回投与群ではALT値は雌雄ともKO群でもっと...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 241 - 242 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
20.11.2007
公益社団法人日本産業衛生学会 Japan Society for Occupational Health |
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ISSN | 1341-0725 |
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Summary: | 【背景】一般的に不活性型ALDH(Acetaldehyde dehydrogenase)2保持者は肝組織中にアセトアルデヒドが集積することから, アルコール性肝障害の感受性が高い, と予測されてきた. しかし不活性型ALDH2保持者では比較的少量の飲酒でアルコール性肝障害が惹起されるとの報告がある一方, 不活性型ALDH2ではALT値が飲酒量と逆相関関係にあるとする報告もある. 【方法】10-11週令のAldh2ノックアウトマウスに20%エタノール5g/Kgを単回腹腔投与, または0~20%のエタノールを給水ボトルに混入し5週間投与した. 【結果】単回投与群ではALT値は雌雄ともKO群でもっとも変動が少なかった. 5週投与群ではAldh2-/-群でALT値の低下が認められた. また, ALT値とTNF-α, リン酸化ERK2蛋白量との相関が見られ, ALT値の変化はERKシグナルを含むTNF-α依存性の機序による可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1341-0725 |