44.職域健診における食後経過時間に伴う検査値の変動

【目的】当会では, 食事の影響を大きく受けるといわれる血糖や中性脂肪に, 空腹時と随時の基準値を設定し, 食後経過時間8時間未満の受診者には随時基準値を用いて結果を判定している. しかし, 食後何時間まで検査値に影響するかの報告はあまり見られない. 今回, 食後1時間単位での検査値を集計したので報告する. 【方法】平成16年4月から平成17年3月までの職域における当会健康診断受診者232,720名を対象に1時間単位で食後経過時間を調査した. 食後時間毎にデータを集計し, 時間毎の基準値を求めた. 【まとめ】食後8時間以上経過した受診者に空腹時基準値を用いることの妥当性が確認された. しかし,...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 6; pp. 235 - 236
Main Authors 玉橋敦子, 木澤あゆみ, 高島章江, 小柳博明, 小林隆司, 笹川力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2006
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Summary:【目的】当会では, 食事の影響を大きく受けるといわれる血糖や中性脂肪に, 空腹時と随時の基準値を設定し, 食後経過時間8時間未満の受診者には随時基準値を用いて結果を判定している. しかし, 食後何時間まで検査値に影響するかの報告はあまり見られない. 今回, 食後1時間単位での検査値を集計したので報告する. 【方法】平成16年4月から平成17年3月までの職域における当会健康診断受診者232,720名を対象に1時間単位で食後経過時間を調査した. 食後時間毎にデータを集計し, 時間毎の基準値を求めた. 【まとめ】食後8時間以上経過した受診者に空腹時基準値を用いることの妥当性が確認された. しかし, 血糖, 中性脂肪とも, 食後3~4時間から, 食事の影響がほとんど見られないため, 4~8時間未満の方に随時基準値を用いた判定では食後の高血糖や高脂血異常者を見落とす危険性が示唆される. 今後は, 食後経過時間を考慮した判定基準の検討が望まれる.
ISSN:1341-0725