特定健康診査・特定保健指導と健康管理-生活習慣病へのアプローチ

2008年度から導入される「特定健診・特定保健指導」について, 5人の演者を迎えて様々な実践的課題を検討した. まず, 厚生労働省の一戸氏から, 当該事業の背景, 内容, 他の各種健診や保健指導との関係, 将来的な方向性について基調となる報告があった. 東京大学の李准教授からは, ウエスト周囲径のエビデンスについて, 他の肥満の測定法などをまじえながら報告があった. 東京都予防医学協会の三輪氏からは, 特定健診・特定保健指導の導入によって現場では何が変わるのか, どのようなことが起こりうるのかなどについて報告があった. さらに, 埼玉県健康づくり事業団の渕上氏から, 同県で実施中のモデル事業に...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 50; no. 2; pp. 58 - 59
Main Authors 小林廉毅, 柳澤裕之, 一戸和成, 李廷秀, 三輪祐一, 渕上博司, 宮本俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.03.2008
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:2008年度から導入される「特定健診・特定保健指導」について, 5人の演者を迎えて様々な実践的課題を検討した. まず, 厚生労働省の一戸氏から, 当該事業の背景, 内容, 他の各種健診や保健指導との関係, 将来的な方向性について基調となる報告があった. 東京大学の李准教授からは, ウエスト周囲径のエビデンスについて, 他の肥満の測定法などをまじえながら報告があった. 東京都予防医学協会の三輪氏からは, 特定健診・特定保健指導の導入によって現場では何が変わるのか, どのようなことが起こりうるのかなどについて報告があった. さらに, 埼玉県健康づくり事業団の渕上氏から, 同県で実施中のモデル事業について報告があった. モデル事業では, 保健指導そのものより, 特定健診・保健指導の説明に時間を費やす場面もあったという. 当該事業のいっそうの周知が重要であると思われた. 最後に, 新日本製鐵君津製作所・産業医の宮本氏から, 特定保健指導に対するアドヒアレンスの問題などについて報告があった. 講演後, 会場から多くの質問, 意見がだされ, 活発な議論が行われた. 特定健診・特定保健指導は産業保健における大きな制度変更であり, 世界でも初めての試みなので, 経過を丹念に追って見直しの機会を設けるとともに世界に対して情報発信することが必要と思われた.
ISSN:1341-0725