25.脳血管疾患による高次脳機能障害の復職支援の検討

高次脳機能障害者への支援の歴史は浅く, 平成13年より高次脳機能障害支援モデル事業が開始され, 平成17年8月にその行政的診断基準と標準的訓練プログラムが示されたばかりである. 今回, 平成7年に両側視床梗塞を発症し高次脳機能障害のある男性の就労支援を, 公的障害者就労支援機関と協力し平成13年より開始した. 入院, 通院による記憶障害の補完訓練を中心としたリハビリテーションを経て, 平成17年5月から3ヶ月間の就労支援訓練を行った結果, 再雇用が可能となった. 就労訓練は専門医の障害評価を基に就労可能な業務の選定から始まり, 候補作業の手順書作成と反復訓練による業務定着, 時間管理, 物品管...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 199
Main Authors 住徳松子, 関村文, 八方貴美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2006
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Summary:高次脳機能障害者への支援の歴史は浅く, 平成13年より高次脳機能障害支援モデル事業が開始され, 平成17年8月にその行政的診断基準と標準的訓練プログラムが示されたばかりである. 今回, 平成7年に両側視床梗塞を発症し高次脳機能障害のある男性の就労支援を, 公的障害者就労支援機関と協力し平成13年より開始した. 入院, 通院による記憶障害の補完訓練を中心としたリハビリテーションを経て, 平成17年5月から3ヶ月間の就労支援訓練を行った結果, 再雇用が可能となった. 就労訓練は専門医の障害評価を基に就労可能な業務の選定から始まり, 候補作業の手順書作成と反復訓練による業務定着, 時間管理, 物品管理, 環境調整に及んだ. 訓練の経過及び内容は, 標準的訓練プログラムの「職場に籍がある場合の就労支援の具体的内容」と比較してもその手順はほぼ同様であり, 今回の就労支援は成功したものと考える.
ISSN:1341-0725