麻酔前投薬の効果
前投薬として用いてその術後鎮痛効果を判定したものとしてクロニジンによる鎮痛効果を報告してきた. クロニジンをはじめとするα_2 -アゴニストは, 鎮静作用に加えて中枢神経系に働いて鎮痛作用を示すこともよく知られている. 小手術をうけた小児患者を対象として術後の疼痛をObjective Scaleにより評価すると, 術後12時間までの追跡ではクロニジンを投与された患者ではスコアが低下し, 痛みのために使用される追加の坐薬の使用量が減少する. 別に鎮静効果を評価するとクロニジン投与群では術後1時間までは鎮静度が高かったが, 術後2時間では前投薬による差は見られなくなる. つまり, クロニジンを投与...
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Published in | The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 96 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
25.06.2001
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 前投薬として用いてその術後鎮痛効果を判定したものとしてクロニジンによる鎮痛効果を報告してきた. クロニジンをはじめとするα_2 -アゴニストは, 鎮静作用に加えて中枢神経系に働いて鎮痛作用を示すこともよく知られている. 小手術をうけた小児患者を対象として術後の疼痛をObjective Scaleにより評価すると, 術後12時間までの追跡ではクロニジンを投与された患者ではスコアが低下し, 痛みのために使用される追加の坐薬の使用量が減少する. 別に鎮静効果を評価するとクロニジン投与群では術後1時間までは鎮静度が高かったが, 術後2時間では前投薬による差は見られなくなる. つまり, クロニジンを投与された患者では, 鎮静効果も引き続き見られたが, それに加えて鎮痛による影響が長く持続すると考えられる. その他のクロニジン前投薬の利点としては鎮静作用がジアゼパムより強力であり, また, 術後鎮静も得られるため, セボフルラン麻酔が盛んになって問題となっている麻酔覚醒時の譫妄を抑制する作用もある. |
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ISSN: | 1340-4903 |