10.燻蒸剤による曝露の現状～特にフッ化スルフリルについて

• Published in: 産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 2; pp. 64 - 65
• Main Authors: 西村繁, 野見山哲生, 塚原照臣, 塚原嘉子, 津田洋子, 栗田絵美, 田中秀和, 福嶋義光
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本産業衛生学会 20.03.2006
• ISSN: 1341-0725; 1349-533X

フッ化スルフリル曝露作業の曝露濃度を把握し, フッ化スルフリル取扱者に対する健康影響を検証することを目的とした. フッ化スルフリルを用いた燻蒸作業を行う2箇所の現場に於いて, 作業者(各現場2名)にパッシブサンプラーを装着し, フッ化スルフリルの個人曝露濃度を測定した. 合わせて, 作業期間を通じて全日作業前後に採尿し, フッ化スルフリルの代謝物である尿中フッ素濃度を測定した. 作業者は, 送気マスク及び手袋着用の上, 燻蒸作業を行った. フッ化スルフリルの個人曝露濃度は, TWA値としては, ACGIHなどが勧告する5ppmを下回った. また, 尿中フッ素濃度は, ACGIH勧告のBEI値である, 作業前3mg/リットル(又は3mg/g crea), 作業後10mg/リットル(又は10mg/g crea)を下回った. フッ化スルフリルは, 今後臭化メチルの代替として使用量が増加すると考えられ, 更に詳細な調査と曝露, 健康影響評価が必要である.