6. 誘電分極を用いた電気化学免疫センサーの開発

現在, サイトカインをはじめとする生理活性物質の定量法としてELISA法が汎用されている. しかし, この方法を検査室レベルでなくチェアサイドで応用しようとするとき, 採取したサンプル中の物質を定量するまでに様々な工程を必要とし, 操作時間の長さや定量に必要なサンプル量の点で課題がある. われわれはこの問題を改善するため, マイクロチップバイオセンサを開発し, 歯科臨床に応用するために基礎的な研究を開始した. この装置はセンサチップ表面に特殊な感応膜を調製し, この感応膜上に免疫物質を固定することで, 抗原抗体反応の量を電圧に変換し検出を行うもので, 即時性・選択性・定量性が高い次元で実現でき...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 5; p. 159
Main Authors 柳田泰志, 高久治久, 吉岡泉, 冨永和宏, 西原達次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.01.2009
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:現在, サイトカインをはじめとする生理活性物質の定量法としてELISA法が汎用されている. しかし, この方法を検査室レベルでなくチェアサイドで応用しようとするとき, 採取したサンプル中の物質を定量するまでに様々な工程を必要とし, 操作時間の長さや定量に必要なサンプル量の点で課題がある. われわれはこの問題を改善するため, マイクロチップバイオセンサを開発し, 歯科臨床に応用するために基礎的な研究を開始した. この装置はセンサチップ表面に特殊な感応膜を調製し, この感応膜上に免疫物質を固定することで, 抗原抗体反応の量を電圧に変換し検出を行うもので, 即時性・選択性・定量性が高い次元で実現できる可能性を有している. さらに, 信号の無線化を行った. 今回は, その性能向上を調べるためにセンサチップ表面の感応膜の材質の最適化を行い, マウスIgGを定量したところ, 濃度に依存した電圧値を検出できた. 今後はこの装置をさらに改良し, 医療領域で使用可能なものにしていく予定である.
ISSN:0368-6833