5. 簡易調査用紙を用いた医療スタッフの職業性ストレスとQOLの測定

医療スタッフの職業性ストレスやQOLにはさまざまな研究があり, 女性の不利な点も多く指摘されている. 今回われわれは, 簡易質問紙票によるストレス, QOL測定を職場全体で行い, 医療スタッフの健康状態を維持していく根拠を得ようとした. 結果, 対象74名から68名(93.2%)の有効回答を得た. SF36によるQOL評価スコア(調整前)では, 三つの専門職で高値となったのは看護師で, 身体機能, 活力, 社会生活機能, 日常役割機能(精神), 心の健康の5項目でもっとも高かった. 保育士では, 日常役割機能(身体), 体の痛み, 全体的健康観, 心の健康の4項目で低い数値を示した. さらにJ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 1; pp. 45 - 46
Main Authors 國次一郎, 奥田昌之, 杉山真一, 芳原達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2006
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:医療スタッフの職業性ストレスやQOLにはさまざまな研究があり, 女性の不利な点も多く指摘されている. 今回われわれは, 簡易質問紙票によるストレス, QOL測定を職場全体で行い, 医療スタッフの健康状態を維持していく根拠を得ようとした. 結果, 対象74名から68名(93.2%)の有効回答を得た. SF36によるQOL評価スコア(調整前)では, 三つの専門職で高値となったのは看護師で, 身体機能, 活力, 社会生活機能, 日常役割機能(精神), 心の健康の5項目でもっとも高かった. 保育士では, 日常役割機能(身体), 体の痛み, 全体的健康観, 心の健康の4項目で低い数値を示した. さらにJSS-Rの結果ではストレス反応, 職域ストレスにおいて医師は看護師, 保育士と比較して高いスコア平均を認めた. 医師のストレス反応で高いのは疲労感であり, 様々な関連要因が連想された.
ISSN:1341-0725