12.当科におけるポリオ後症候群の診療内容

2歳時にポリオに罹患し左上下肢の弛緩性麻痺が残存し, 40歳代より右上肢挙上困難, 歩行困難が徐々に進行したポリオ後症候群(PPS)の入院リハビリテーションを経験した. 約1ヵ月の短期入院で, 休息をとりながら, 少量頻回の訓練と生活指導を行うことにより, 易疲労性, 腰痛膝痛の改善, 歩容の改善が得られた. 当科では1991年の開院以来7名のPPS患者を経験しており, PPSのないポリオ患者15名と診療内容を比較したところ, PPSでは筋力低下を主訴とし, 装具処方, PTOT処方がなされていたのに対し, PPSのないポリオ患者では装具の再作製を主訴とするものと, 合併した他の疾患すなわち悪...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 41; no. 1; p. 60
Main Authors 栗林環, 水落和也, 井畑眞紀, 高倉朋和, 安藤徳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2004
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:2歳時にポリオに罹患し左上下肢の弛緩性麻痺が残存し, 40歳代より右上肢挙上困難, 歩行困難が徐々に進行したポリオ後症候群(PPS)の入院リハビリテーションを経験した. 約1ヵ月の短期入院で, 休息をとりながら, 少量頻回の訓練と生活指導を行うことにより, 易疲労性, 腰痛膝痛の改善, 歩容の改善が得られた. 当科では1991年の開院以来7名のPPS患者を経験しており, PPSのないポリオ患者15名と診療内容を比較したところ, PPSでは筋力低下を主訴とし, 装具処方, PTOT処方がなされていたのに対し, PPSのないポリオ患者では装具の再作製を主訴とするものと, 合併した他の疾患すなわち悪性腫瘍や関節リウマチに対するリハ目的の受診が多かった. PPSで現在も外来通院を継続しているものは3例しかおらず, 長期的なリハ医学的フォローアップと適切な時期での集中的なリハの介入が必要と思われた.
ISSN:0034-351X