4. 神経の極性を失ったマウスの作製とその分子細胞生物学的解析

【背景】神経細胞では軸索, 樹状突起にいく蛋白がTGN(trans-Golgi network)で選別された後, 目的地に輸送される. この極性輸送が軸索と樹状突起の形態形成や維持に重要であるが, その過程で重要とされる分子は明らかではない. 【目的】神経の極性輸送に必要な分子を神経特異的に欠失したマウスをgene targeting法を用いて作製し, これらの分子の機能を解明する. 【方法】神経特異的にCreを発現するマウスを作成してこれらの分子の“floxed”マウスと交配し得られたマウスを主に形態学的に解析する. 【特色】Cre-loxPシステムを用いた神経かつ時期特異的ノックアウト法に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 55; no. 4; p. 406
Main Authors 村松一洋, 森川昭廣, 佐藤隆史, 原田彰宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2005
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【背景】神経細胞では軸索, 樹状突起にいく蛋白がTGN(trans-Golgi network)で選別された後, 目的地に輸送される. この極性輸送が軸索と樹状突起の形態形成や維持に重要であるが, その過程で重要とされる分子は明らかではない. 【目的】神経の極性輸送に必要な分子を神経特異的に欠失したマウスをgene targeting法を用いて作製し, これらの分子の機能を解明する. 【方法】神経特異的にCreを発現するマウスを作成してこれらの分子の“floxed”マウスと交配し得られたマウスを主に形態学的に解析する. 【特色】Cre-loxPシステムを用いた神経かつ時期特異的ノックアウト法により生体に必須な分子をノックアウトしてもマウスが致死とならず, 生体内で神経細胞の極性形成・維持の様子が観察可能である. 【展望】神経特異的にCreを発現するマウスを用いて他の蛋白を神経特異的に欠失したり, 過剰発現するマウスを作製でき, 神経系の基礎・臨床研究に幅広く応用が可能となる.
ISSN:1343-2826