30. 公災認定・労災保険給付請求書類を利用した針刺し切創データベース構築とその分析

針刺し切創事例に関する公災, 労災請求書の記載事項をエピネット日本語版(Epysis109, 職業感染制御研究会, 2003)で分析した. 対象8病院(総病床数5,826床)において, 12ヶ月間に200件(3.4件/100床)の針刺し切創の公災, 労災申請があった. 感染管理室等の針刺し切創院内記録から申請率は82%(200/243件). 分析の結果, 1)針刺し切創発生率は看護師, 常勤医師, 検査技師に比べ, レジデント, 研修医は約3倍(9.2件/100人/年), 2)医師と看護師では受傷原因器材が異なる, 3)静脈留置針は使用後の片付け時, 縫合針は使用中, 翼状針は使用中と片付け時...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 1; p. 25
Main Authors 吉川徹, 酒井一博, 松田文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2006
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:針刺し切創事例に関する公災, 労災請求書の記載事項をエピネット日本語版(Epysis109, 職業感染制御研究会, 2003)で分析した. 対象8病院(総病床数5,826床)において, 12ヶ月間に200件(3.4件/100床)の針刺し切創の公災, 労災申請があった. 感染管理室等の針刺し切創院内記録から申請率は82%(200/243件). 分析の結果, 1)針刺し切創発生率は看護師, 常勤医師, 検査技師に比べ, レジデント, 研修医は約3倍(9.2件/100人/年), 2)医師と看護師では受傷原因器材が異なる, 3)静脈留置針は使用後の片付け時, 縫合針は使用中, 翼状針は使用中と片付け時に針刺し切創が発生する傾向にあり, 受傷パターンは器材の種類とその使用特性(医療行為)と関連することが確認できた. 対策提案に結びつく効率的な針刺し切創サーベイランスシステムの構築とその活用は針刺し切創防止戦略立案に有効と考えられた.
ISSN:1341-0725