4.足底装具の使用で歩行可能となった後天性表皮水庖症の1例
難治性の後天性表皮水疱症患者に対してシリコン製の足底装具を作製したところ機械的刺激が減少したことにより, 水疱発生が軽減して歩行が可能となった症例を経験したので報告する. 患者は79歳女性で20年にわたり水疱性類天疱瘡として治療されてきたが当院皮膚科で後天性表皮水疱症と診断された. 転倒により下腿骨骨折となったがリハビリテーションの過程で荷重すると水疱が形成され歩行が困難であった. しかし足底圧分布を測定してシリコン製足底装具を作製, 装着することにより, 除圧が可能となり, 水疱の発生を防げて, 歩行が可能となった. 一点への荷重の集中を定量的に評価することにより正確な除圧が可能な環境を設定...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 7; p. 485 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.2004
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Summary: | 難治性の後天性表皮水疱症患者に対してシリコン製の足底装具を作製したところ機械的刺激が減少したことにより, 水疱発生が軽減して歩行が可能となった症例を経験したので報告する. 患者は79歳女性で20年にわたり水疱性類天疱瘡として治療されてきたが当院皮膚科で後天性表皮水疱症と診断された. 転倒により下腿骨骨折となったがリハビリテーションの過程で荷重すると水疱が形成され歩行が困難であった. しかし足底圧分布を測定してシリコン製足底装具を作製, 装着することにより, 除圧が可能となり, 水疱の発生を防げて, 歩行が可能となった. 一点への荷重の集中を定量的に評価することにより正確な除圧が可能な環境を設定することが必要であった. 患者の強いニーズに対してリハスタッフは提供できる限りの可能性について提示し, それが患者の歩行意欲にもつながった. 現在足底部および臀部の水疱の悪化はみられず, 歩行能力は維持されており, 装具の効果で移動手段に関するQOLを高めることができた. |
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ISSN: | 0034-351X |