9.聴覚失認をきたした脳梗塞の1例
症例は64歳, 男性, 1995年に左被殻出血の既往あり. 2003年3月18日右MCA領域の脳塞栓を発症, 約1ヵ月の保存的治療後当センターに転院. 転院時以前よりの軽度の感覚性失語, 重度の聴覚失認および四肢不全麻痺を認めた. 初期の純音オージオグラムはスケールアウト, 聴性脳幹反応は正常, 頭部CTでは左被殻出血後による低吸収域以外に今回の病巣である右側頭~頭頂葉と放線冠に低吸収域を認めた. 約4ヵ月のリハビリテーション(300Hz以下の音とこの音が出ているときに左上肢に振動を同時に与え, これを毎日20分繰り返す)で純音レベルでも30dBとなり, コミュニケーションが取れるようになり退...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 7; p. 481 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.07.2004
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Summary: | 症例は64歳, 男性, 1995年に左被殻出血の既往あり. 2003年3月18日右MCA領域の脳塞栓を発症, 約1ヵ月の保存的治療後当センターに転院. 転院時以前よりの軽度の感覚性失語, 重度の聴覚失認および四肢不全麻痺を認めた. 初期の純音オージオグラムはスケールアウト, 聴性脳幹反応は正常, 頭部CTでは左被殻出血後による低吸収域以外に今回の病巣である右側頭~頭頂葉と放線冠に低吸収域を認めた. 約4ヵ月のリハビリテーション(300Hz以下の音とこの音が出ているときに左上肢に振動を同時に与え, これを毎日20分繰り返す)で純音レベルでも30dBとなり, コミュニケーションが取れるようになり退院となった. |
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ISSN: | 0034-351X |