24.ヒト全唾液中のコラゲナーゼ

歯周疾患の歯肉溝浸出液および唾液中に本酵素活性の存在かつ, 炎症性歯周疾患では活性値の上昇を認めたので, 歯周疾患者より採取した安静無刺激混合唾液を使用して, コラゲナーゼを抽出し, その性質, 歯肉への影響について調べた. その結果は次の通りである. (1)氷冷下において安静無刺激混合唾液を採取し, -20℃に凍結保存した後, 唾液量300mlを1回処理量とし, 硫安分画, ゲル戸過(UltrogelAcA-44), アフィニティクロマトグラフィー(5%polyacrylamideCollagen)を行って精製酵素とした. (2)精製した唾液コラゲナーゼは, SDS電気泳動上で, 分子量50...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 143 - 144
Main Authors 岸正之, 中静正, 飯島憲一, 早川太郎, 柳村光寛, 秋吉正豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 28.03.1984
特定非営利活動法人日本歯周病学会
The Japanese Society of Periodontology
Online AccessGet full text
ISSN0385-0110

Cover

More Information
Summary:歯周疾患の歯肉溝浸出液および唾液中に本酵素活性の存在かつ, 炎症性歯周疾患では活性値の上昇を認めたので, 歯周疾患者より採取した安静無刺激混合唾液を使用して, コラゲナーゼを抽出し, その性質, 歯肉への影響について調べた. その結果は次の通りである. (1)氷冷下において安静無刺激混合唾液を採取し, -20℃に凍結保存した後, 唾液量300mlを1回処理量とし, 硫安分画, ゲル戸過(UltrogelAcA-44), アフィニティクロマトグラフィー(5%polyacrylamideCollagen)を行って精製酵素とした. (2)精製した唾液コラゲナーゼは, SDS電気泳動上で, 分子量50, 000の位置で単一のバンドとして認められた. (3)唾液コラゲナーゼとコラーゲンとの反応産物のSDS電気泳動像は, 典型的な動物性コラゲナーゼであった. (4)酵素の活性化実験において, Trypsin, 4-APMA, DOC, Rhodaneにより良く活性化された. また, 阻害実験において, EDTA, CysteinDithiothreitol, o. phenanthroline, 血清により良く阻害された.
ISSN:0385-0110