「前庭研究会」発足前後の回想

社団法人・日本耳鼻咽喉科学会の4番目の関連学会として, 1957年(昭和32年)に, 「日本前庭研究会」が発足した. 筆者は当時は, 医学部卒業後約10年の若輩で, 海外のこの方面の状況は勿論, 野村の戦前からの先達の方々の業績もよく知らずに, 来診する「めまい」症例の対応に追われていたので, この研究会で多くの情報を学ぶことができたことを感謝している. 一方, メニエール症候群など戦前は比較的稀であった耳性めまいの症例数が, 1950年(昭和25年)頃から急激に増加し(大阪大, 東京大の統計あり), 各大学の前庭外来が活況を呈すると共に, 関連の検査装置や, 科学研究費を与えられる機会も増加...

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Published inEquilibrium research Vol. 66; no. 6; pp. 371 - 372
Main Author 渡辺勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本めまい平衡医学会 01.12.2007
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ISSN0385-5716

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Summary:社団法人・日本耳鼻咽喉科学会の4番目の関連学会として, 1957年(昭和32年)に, 「日本前庭研究会」が発足した. 筆者は当時は, 医学部卒業後約10年の若輩で, 海外のこの方面の状況は勿論, 野村の戦前からの先達の方々の業績もよく知らずに, 来診する「めまい」症例の対応に追われていたので, この研究会で多くの情報を学ぶことができたことを感謝している. 一方, メニエール症候群など戦前は比較的稀であった耳性めまいの症例数が, 1950年(昭和25年)頃から急激に増加し(大阪大, 東京大の統計あり), 各大学の前庭外来が活況を呈すると共に, 関連の検査装置や, 科学研究費を与えられる機会も増加した. 例えば1959年(昭和34年)に, 「平衡機能検査法の確立に関する研究」と題する班研究(森本正紀班長)が発足し, 打ち合わせの会に参加する機会が与えられた. ここに掲載した写真はその際に撮られた班員の集合の記録である.
ISSN:0385-5716