4-Nitroquinoline 1-Oxide誘発ラット舌癌におけるカドヘリン-カテニン複合体の発現とβ-カテニンのリン酸化
【目的】4-Nitroquinoline 1-Oxide(4NQO)誘発ラット舌癌におけるP型カドヘリン(PCD)およびβ-カテニン(CT)の発現, そしてβ-CTのリン酸化を検索し, 舌原発扁平上皮癌の発癌過程と, CD-CT複合体の発現およびβ-CTのリン酸化との関連性を検討した. 【方法】4NQOで誘発された上皮異形成および癌におけるPCD, β-CT, そしてホスホチロシンの局在を免疫組織化学的に, また, それらの発現をimmunoprecipitateならびにwestern blottingで検索した. なお, 今回は, 無処置の舌上皮を対照とした. 【結果】PCDは上皮異形成部の...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 633 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.08.2001
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | 【目的】4-Nitroquinoline 1-Oxide(4NQO)誘発ラット舌癌におけるP型カドヘリン(PCD)およびβ-カテニン(CT)の発現, そしてβ-CTのリン酸化を検索し, 舌原発扁平上皮癌の発癌過程と, CD-CT複合体の発現およびβ-CTのリン酸化との関連性を検討した. 【方法】4NQOで誘発された上皮異形成および癌におけるPCD, β-CT, そしてホスホチロシンの局在を免疫組織化学的に, また, それらの発現をimmunoprecipitateならびにwestern blottingで検索した. なお, 今回は, 無処置の舌上皮を対照とした. 【結果】PCDは上皮異形成部の基底細胞や癌胞巣辺縁部の癌細胞の細胞膜に強い発現を呈した. β-CTの発現は, 上皮異形成および癌の両者の細胞膜のみならず細胞質や核に散在性に認められた. β-CTをimmunoprecipitateで抽出してリン酸化を検索したところ, 上皮異形成ならびに癌に発現するβ-CTに強いリン酸化が検出された. 【考察】舌上皮の悪性化に伴ってその部の細胞にPCDは強く発現されるが, β-CTの発現減弱のためにこれらの細胞の接着能が失われること, また発現しているβ-CTのリン酸化によって本来の局在や機能が変化して, 癌細胞が高い増殖能や浸潤能を示すことが示唆される. |
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ISSN: | 0385-0137 |