22.肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法に関する検討

【目的】肝癌の新たな局所療法としてラジオ波焼灼療法(以下RFA)が注目されている. 当院では2000年3月より肝癌に対する対するRFA治療を導入し症例が蓄積しつつある. 今回我々は, 当院でRFAの経験を報告し, その有用性, 合併症, 予後について検討した. 【対照と方法】2000年3月~2003年7月までに当科にて腫瘍径3cm以下, 3個以内の適応基準に合致しRFA治療が完遂し6ヵ月以上追跡可能であった, 肝細胞癌115症例136結節についてretorospectineに検討した. 平均年齢68.9歳(53-84歳)男性59例女性56例child-Pugh分類A:B:C=71:42:3,...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 4; pp. 358 - 359
Main Authors 大山達也, 滝澤大地, 飯塚春尚, 荒川和久, 新井弘隆, 富澤直樹, 小野里康博, 小川哲史, 石原弘, 阿部毅彦, 池谷俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2004
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Summary:【目的】肝癌の新たな局所療法としてラジオ波焼灼療法(以下RFA)が注目されている. 当院では2000年3月より肝癌に対する対するRFA治療を導入し症例が蓄積しつつある. 今回我々は, 当院でRFAの経験を報告し, その有用性, 合併症, 予後について検討した. 【対照と方法】2000年3月~2003年7月までに当科にて腫瘍径3cm以下, 3個以内の適応基準に合致しRFA治療が完遂し6ヵ月以上追跡可能であった, 肝細胞癌115症例136結節についてretorospectineに検討した. 平均年齢68.9歳(53-84歳)男性59例女性56例child-Pugh分類A:B:C=71:42:3, ウイルスマーカーは, HCV陽性90例HBV陽性5例であった. 【結果】1結節あたりの平均穿刺回数は, 1.1回, 平均焼灼回数は, 2.5回, 平均焼灼時間11分4秒であった. 平均観察期間19.4ヵ月(最長46ヵ月)で, 局所再発は, 136結節中16結節(11.8%)であり, 肝内異所再発は, 115症例中59例(51.3%)であった. 局所再発までの平均期間は6.1ヵ月, 同じく肝内異所再発までの平均期間は9.4ヵ月であった. 死亡例は, 28例で死因は, 肝細胞癌15例, 肝不全7例, 消化管出血4例, 脳出血2例であった. 50%生存期間は3年であった. 主な合併症は, 疼痛, 発熱, 嘔気嘔吐, 呼吸苦, 肝機能障害, 胆道系酵素上昇で, 他に胸腹水, 胆管炎, 肝膿瘍等が認められたが, すべて対症療法で対応可能であり, 重篤な合併症は認めなかった. 【結論】HCCに対するRFAは局所治療として安全かつ有用であるが, HCC異所再発も多く厳重な経過観察が必要である.
ISSN:1343-2826