19.P CHP(コレステロール置換型プルラン)ナノゲルの創傷治癒に対する有効性

「目的」CHPナノゲルは, 薬物のキャリアーとしての応用が期待されている. 一方, 抗痙攣剤であるフェニトイン(PHT)の創傷治癒促進作用が報告されている. そこで, CHPナノゲルとPHPを組み合わせて, 創傷治癒に対する有効性を検討した. 「方法」4週齢Wistar系雄ラットを用い, 背部に1cm×1cmの開放創と, 1cmの全層の切開創を作成した. それらに創面に, (1)コントロール(無処置), (2)CHPナノゲル, (3)CHPナノゲル-PHT(30mg/ml), (4)CHPナノゲル-PHT(1.4mg/ml)の処置をおこなった. 術後経時的に開放創の大きさを計測し, 術後1,...

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Published in日本再生歯科医学会誌 Vol. 3; no. 1; p. 73
Main Authors 小林裕史, 片倉修, 角田愛美, 森本展行, 岩崎泰彦, 秋吉一成, 春日井昇平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 30.12.2005
Japanese Association of Regenerative Dentistry
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ISSN1348-9615

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Summary:「目的」CHPナノゲルは, 薬物のキャリアーとしての応用が期待されている. 一方, 抗痙攣剤であるフェニトイン(PHT)の創傷治癒促進作用が報告されている. そこで, CHPナノゲルとPHPを組み合わせて, 創傷治癒に対する有効性を検討した. 「方法」4週齢Wistar系雄ラットを用い, 背部に1cm×1cmの開放創と, 1cmの全層の切開創を作成した. それらに創面に, (1)コントロール(無処置), (2)CHPナノゲル, (3)CHPナノゲル-PHT(30mg/ml), (4)CHPナノゲル-PHT(1.4mg/ml)の処置をおこなった. 術後経時的に開放創の大きさを計測し, 術後1, 2週後に屠殺し, 切開創部の引っ張り試験をおこなった. 「結果と考察」各群間に開放創面の大きさの差は観察されず, PHPを含むCHPナノゲルは創傷の治癒に変化を与えなかった. 術度2週における引張り試験において, 他のどの群よりもCHPナノゲル群が有意に高い値を示した. この結果から, CHPナノゲルが皮膚創傷治癒過程を促進する可能性が示唆される.
ISSN:1348-9615