2.長期Foscarnet治療を要した非血縁者間骨髄移植後変異サイトメガロウイルス感染症
ガンシクロビル(GCV)抵抗性で長期間のFoscarnet(Fos)治療を要した非血縁者間骨髄移植後の変異サイトメガロウイルス(CMV)感染症を報告する. 症例は1歳男児. 生後3ヵ月より紫斑肝脾腫認め若年型慢性骨髄単球性白血病(JMML)と診断され, 摘脾後, 非血縁者間骨髄移植施行. 前処置はBuslfan+AraC+Cyclophosphamide, GVHD予防は短期Methotrexate+Cyclosporinを使用した. 生着はday25, 急性GVHDはGrade2でPSL1mg/kgを追加した. day26にCMV抗原血症が陽性となりGCV投与を行ったが改善なくFos投与を開...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 3; p. 242 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.08.2004
Kitakanto Medical Society |
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | ガンシクロビル(GCV)抵抗性で長期間のFoscarnet(Fos)治療を要した非血縁者間骨髄移植後の変異サイトメガロウイルス(CMV)感染症を報告する. 症例は1歳男児. 生後3ヵ月より紫斑肝脾腫認め若年型慢性骨髄単球性白血病(JMML)と診断され, 摘脾後, 非血縁者間骨髄移植施行. 前処置はBuslfan+AraC+Cyclophosphamide, GVHD予防は短期Methotrexate+Cyclosporinを使用した. 生着はday25, 急性GVHDはGrade2でPSL1mg/kgを追加した. day26にCMV抗原血症が陽性となりGCV投与を行ったが改善なくFos投与を開始した. CMV抗原血症は陰性化したがFosの中止後再陽転し, Fosを再開したが完全消失せず, CMV抗体高力価繃グロブリンを併用した. 併用後も消失はなくGVHD予防の免疫抑制剤中止によりCMV抗原血症は消失した. CMVがGCV抵抗性であったため, 変異株の検索を行ったところ, DNAポリメラーゼをコードするUL54変異のmutant typeであり, UL54に耐性を示さないFosが有効であったと思われた. GCV抵抗性のCMV感染症では変異株を念頭において検索を行い, 早期のFos導入を考慮すべきである. |
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ISSN: | 1343-2826 |