1.術前CNBで診断できた乳腺IMPC(lnvasive micropapillary carcinoma)の1症例

術前CNBでIMPCと診断でき, 予定術式を変更した1例を経験したので報告する. 【患者】61歳, 女性, 閉経後【主訴】左乳房腫瘤【現病歴】平成15年8月に, 入浴中に左乳房腫瘤に気づくが放置, 9月に近くの内科医を受診し当院へ紹介された. 【現症】左乳房D領域にT-P3.2cm, 腫瘤径1.7cmの硬いdimpling(+)の腫瘤を認め, MGでも濃厚腫瘤陰影, 超音波でも不均一内部エコーを有する中空象を認め, 3者ともに乳癌の診断であったが組織診断確定のためにCNBを施行した. 【組織診断】微小乳頭状の癌細胞のみで形成される胞巣が結合織性の間質に囲まれた微細な網状の空間の中にまるで浮遊す...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 175
Main Authors 星野和男, 仲村匡也, 倉林誠, 清水尚, 黒住昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2004
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:術前CNBでIMPCと診断でき, 予定術式を変更した1例を経験したので報告する. 【患者】61歳, 女性, 閉経後【主訴】左乳房腫瘤【現病歴】平成15年8月に, 入浴中に左乳房腫瘤に気づくが放置, 9月に近くの内科医を受診し当院へ紹介された. 【現症】左乳房D領域にT-P3.2cm, 腫瘤径1.7cmの硬いdimpling(+)の腫瘤を認め, MGでも濃厚腫瘤陰影, 超音波でも不均一内部エコーを有する中空象を認め, 3者ともに乳癌の診断であったが組織診断確定のためにCNBを施行した. 【組織診断】微小乳頭状の癌細胞のみで形成される胞巣が結合織性の間質に囲まれた微細な網状の空間の中にまるで浮遊するように浮かんでいる特徴的な病理像が認められIMPCと診断した. 【治療】腫瘤径は2cm以下であり, 乳房温存術を予定していたがCNB組織診断を重視し, 胸筋温存乳房切断術に切り替えた. 摘出標本の組織診断では腫瘍面積の約70%にIMPCの形態を認め, リンパ節転移はn1α(1/22)であったが, ly3と強いリンパ管侵襲が認められた, ERは腫瘍細胞の100%に陽性であり, Toremifene投与と術後タキソールの化学療法で治療中である. 【結語】乳腺IMPCは. 腫瘤径は小さくともly, nへの浸潤転移が高度な乳癌であり, 術前診断が得られたならばしっかりした乳癌根治術と術後治療が必要と考えられた.
ISSN:1343-2826